M&Aの譲渡代金と役員退職金の配分による手取額の試算

会社を売却する際に、売却の対価の一部を役員退職金として会社から受け取ると、税金の合計額が変わります。役員退職金の額ごとに手取額を計算し、手取額が最も多くなる配分の目安を表示します。

試算の入力

手取額が最も多くなる役員退職金の額(目安)

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役員退職金株式の譲渡代金税金の合計手取額退職金を受け取らない場合との差

本試算は、令和8年10月1日現在の法令に基づく概算です。役員退職金について「退職所得の受給に関する申告書」を提出し、同じ年に他の退職金や他の株式の譲渡がなく、その他の所得がないものとして計算しています。住民税の均等割、事業承継税制等の特例は含めていません。実際の税額や配分の可否は、会社の財務の状況、買い手との合意、個別の事情により異なりますので、実行に当たっては税理士等の専門家に確認してください。

計算の考え方

株式の譲渡所得 = 株式の譲渡代金 -(取得費 + 譲渡費用) 税率 20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)退職所得 =(役員退職金 - 退職所得控除額)× 2分の1 所得税(5%から45%の累進税率)、復興特別所得税(所得税額の2.1%)、住民税10%役員退職金の上限の目安 = 最終の報酬月額 × 役員としての在任年数 × 功績倍率

株式の譲渡所得は、金額にかかわらず20.315%の税率で課税されます。これに対し、退職所得は、退職所得控除額を差し引いた残りの2分の1に累進税率が適用され、他の所得と分けて課税されます。そのため、役員退職金の額が一定の水準までは、株式の譲渡代金として受け取るより税金が少なくなります。

もっとも、役員退職金の額が大きくなると、退職所得に高い税率が適用される部分が増え、ある額を超えると、株式の譲渡代金として受け取る場合より税金が多くなります。手取額が最も多くなるのは、役員退職金を増やすことによる退職所得の税金の増加額と、株式の譲渡代金が減ることによる譲渡所得の税金の減少額とが釣り合う額です。上の表は、役員退職金を0円から上限の目安まで変えた場合の手取額を比べたものです。

役員退職金を受け取る場合の留意点

  • 役員退職金は、定款に定めがない限り、株主総会の決議によって支給します(会社法第361条第1項)。株式の譲渡の前に、会社の手続として決議しておく必要があります。
  • 不相当に高額な部分の金額は、過大な役員退職給与として会社の損金に算入されません(法人税法第34条第2項、法人税法施行令第70条第2号)。功績倍率法による額は目安の一つであり、同業類似法人の支給の状況等によって判断されます。
  • 退職所得となるのは、実際に退職した場合です。株式の譲渡後も代表取締役等として経営に関与し続ける場合や、役員の地位を残して報酬を大幅に減らすだけの場合(分掌変更)には、退職所得と認められないおそれがあります(法人税基本通達9-2-32参照)。
  • 役員としての在任年数が5年以下の場合は、特定役員退職手当等として2分の1を乗じずに課税されるため、役員退職金による税金の軽減の効果が小さくなります。
  • 役員退職金を支払うと、会社の現預金と純資産が減ります。会社に支払の原資があるか、買い手が譲渡代金の減額にどう応じるかを、株式譲渡契約の条件として取り決める必要があります。
  • 株式の譲渡所得と退職所得を合わせた所得が極めて高い場合には、特定の基準所得金額の課税の特例(租税特別措置法第41条の19)により所得税が加算されます。令和8年分は基準所得金額が3億3,000万円を超える部分の22.5%、令和9年分以後は1億6,500万円を超える部分の30%が基準となります。
  • 令和9年分以後は、復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(所得税額の1%)が課されます。合計の割合は2.1%で変わらないため、試算では同じ割合で計算しています。

手取額の試算を踏まえて、一度ご相談ください

役員退職金の額と株式の譲渡代金の配分は、買い手との交渉と会社の手続によって決まります。当社が、会社の状況をもとに具体的な進め方をお伝えします。

お手元に決算書がなくても構いません。ご相談の内容は、秘密として厳守します。

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