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後継者がいない会社を第三者へ譲り渡すとき 事業承継M&Aのご相談から引継ぎまでの流れと期間の目安

公開 2026年10月27日更新 2026年10月27日

この記事の位置付け

事業承継M&Aの全体の流れに関するメインのページです。本ページは、後継者がいない会社を第三者へ譲り渡す進め方において、ご相談から引継ぎまでの各段階で経営者が判断し、用意する事項をご説明します。各段階の詳しい手順はそれぞれ別のページをご参照ください。

▶ 事業承継M&A・後継者がいない会社の売却にお困りではありませんか

▶ M&Aのプロセスの流れ

▶ 親族への承継、従業員への承継、第三者への譲渡、廃業 4つの選択肢を同じ物差しで比べる

▶ 会社の売却の準備 着手の前に整えておく資料と、社内で先に確認しておく事項

▶ 会社の売却価格はどのように決まるのか 企業価値の評価の方法と、実際の取引価格との相違

ご子息は別の会社で働いており、役員にも会社を買い取る資金はありません。廃業も頭をよぎるものの、従業員と取引先のことを考えると踏み切れません。第三者への譲渡という道は知っていても、何から手を付ければよいのか、どれほどの期間がかかるのかが分からないまま、時間が過ぎていきます。後継者がいない会社の経営者の方が最初に直面するのは、このような見通しの立たなさです。

結論から申し上げます。後継者がいない会社を第三者へ譲り渡す事業承継M&Aは、ご相談から株式の譲渡の実行(クロージング)まで、一般的には6か月から12か月を要します。買主が早く見つかる場合はそれより短く、買主がなかなか見つからない場合は2年から3年を要することもあります。その間に経営者が判断すべき事項と、用意すべき資料は、段階ごとにおおむね決まっています。

本ページでは、ご相談、売却の準備、企業価値の把握、買主の探索、初期の打診、意向表明、基本合意、デュー・ディリジェンス、株式譲渡契約、クロージング、引継ぎという11の段階について、経営者が何を判断し、何を用意するかを順に整理します。各段階の詳しい手順は、段階ごとの解説ページをご案内します。全体の順序を先に知っておくことが、途中で判断を誤らないための最初の備えです。

目次
  1. 事業承継M&Aは11の段階を順に進みます
  2. ご相談の段階で、第三者への譲渡を選ぶかと、譲れない条件を決めます
    1. 第三者への譲渡が他の選択肢より適するかを確かめます
    2. 秘密保持契約と、依頼の契約を結びます
    3. 譲れない条件に順位を付けます
  3. 売却の準備と企業価値の把握の段階で、資料と価格の見通しを整えます
    1. 買主候補への打診の前に、書面を整えます
    2. 正常な収益力から、価格の幅を把握します
    3. 個人保証と、経営者が受け取る金額の内訳を確かめます
  4. 買主の探索と初期の打診の段階で、情報が漏れないように相手を探します
    1. 候補先の一覧を作り、打診しない先を先に決めます
    2. 社名を伏せた資料で関心を確かめ、秘密保持契約の後に詳細を開示します
    3. この段階が、全体の中で最も時間を要します
  5. 意向表明と基本合意の段階で、相手を絞り込みます
    1. 意向表明書を比べるときは、価格以外の条件も読みます
    2. 複数の候補先を競わせるか、1社ずつ進めるかを決めます
    3. 基本合意書で、独占して交渉する相手と期間を定めます
  6. デュー・ディリジェンスの段階で、売主の側にも重い負担が生じます
    1. 口頭で説明してきた内容を、書面とデータで確かめられます
    2. 基準日の資料を前もって依頼しておきます
    3. この期間は、重要な経営判断を控えるつもりで日程を組みます
  7. 株式譲渡契約からクロージングまでの段階で、手取りの金額が確定します
    1. 株式譲渡契約で、売主の責任の範囲が決まります
    2. 締結から決済までの間に、取引先の承諾と従業員への説明を済ませます
    3. 決済の日に、書類と代金を引き換えます
    4. 譲渡の後も、引継ぎの期間が続きます
  8. 全体の期間の目安と、期間が延びやすい場面
    1. 全体の目安は6か月から12か月です
    2. 期間が延びやすい3つの場面
    3. 費用が生じる時期
  9. いま確認していただきたいこと
  10. 当社及び弁護士法人M&A総合法律事務所の関与
  11. よくあるご質問
    1. 従業員や取引先に知られずに相談できますか。
    2. ご相談から譲渡の完了まで、どのくらいの期間がかかりますか。
    3. 赤字の会社でも、事業承継M&Aの対象になりますか。
    4. 譲渡の後も、しばらく会社に残ることはできますか。
    5. 途中で譲渡をやめることはできますか。
  12. まとめ

事業承継M&Aは11の段階を順に進みます

事業承継M&Aの各段階と、それぞれの段階で経営者が判断すること、用意するもの、期間の目安を一覧にすると、次のとおりです。

段階 経営者が判断すること 用意するもの 期間の目安
ご相談と方針の確認 第三者への譲渡を検討するか。譲れない条件の順位 直近3期分の決算書(なくてもご相談は可能です) 案件により異なります
売却の準備 整理すべき書面と、着手の順序 株主名簿、議事録、主要な契約書、許認可の書面 書面が整っていれば1か月から2か月。名義株の整理等を要すれば6か月から1年
企業価値の把握 希望する価格の水準と、受け入れられる下限 決算書、試算表、固定資産台帳、借入れの一覧 企業価値評価サービスの場合、おおむね3週間から1か月
買主の探索 打診する先と、除外する先 候補先の一覧についてのご意見 2か月から3か月。長い場合は半年から1年程度
初期の打診 社名を伏せた資料に記載する範囲 案件概要書及び企業概要書の内容の確認
意向表明 次の段階に進める候補先 経営者面談への出席 打診の段階と並行することが多いです
基本合意 独占して交渉する相手と、その期間 価格の考え方と主要な条件の整理 意向表明の受領から一般には数週間(案件により異なります)
デュー・ディリジェンス 開示する資料の範囲と、指摘への回答 試算表、内訳明細書、残高証明書、議事録、契約書等 候補先1社につき1週間程度。4社であれば1か月程度
株式譲渡契約 表明保証、補償及び誓約事項の範囲 契約書の案についてのご確認 デュー・ディリジェンスと並行して進めることが多いです
クロージング 決済の日と、それまでに済ませる手続 クロージング書類、取引先の承諾書 契約の締結から1か月程度後とすることが多いです
引継ぎ 会社に残る期間と、退く時期 取引先、金融機関及び従業員への引継ぎの段取り 数か月から3年程度とすることが多いです

もっとも、この順序は一般的な場合を示すものです。案件によっては、一部の段階を省略し、繰り返し、あるいは特に長い期間を要することがあります。手続の名称に即した流れは、M&Aのプロセスの流れのページにも整理しています。

ご相談の段階で、第三者への譲渡を選ぶかと、譲れない条件を決めます

第三者への譲渡が他の選択肢より適するかを確かめます

後継者がいない会社の承継には、親族への承継、従業員への承継、第三者への譲渡及び廃業という4つの道筋があります。第三者への譲渡は、後継者を親族又は社内に求める必要がなく、株式の譲渡代金を現金で受け取ることができる一方、株式が移転した後は経営に戻ることができません。いずれの道筋が適するかは、4つの選択肢を同じ物差しで比べるページで整理しています。

ご相談の段階では、事業承継M&Aの実現の可能性と、譲渡した場合の対価の水準を確かめ、株主の分散、経営者の個人保証、許認可の名義といった会社に固有の問題点への対策を相談します。経営者は、これらを踏まえて、本格的に進めるかどうかを判断します。

秘密保持契約と、依頼の契約を結びます

会社の重要な情報を開示する前に、相談先との間で秘密保持契約を結びます。そのうえで依頼先を決め、M&A仲介契約を結びます。事業承継M&Aは長い期間を要しますので、依頼先との相性も大切な判断材料です。依頼先の形態の違いは、M&A仲介とファイナンシャル・アドバイザーは何が違うのかで整理しています。

譲れない条件に順位を付けます

この段階で経営者が決めておくべき最も重要な事項は、譲れない条件の順位です。譲渡の価格、従業員の雇用の維持、屋号の存続、取引先との関係の継続、経営者保証の解除、譲渡後に会社に残る期間などが、典型的な条件です。順位が決まっていないまま買主候補と話し始めますと、提示された条件を比べる物差しがなく、判断が遅れ、又は揺らぎます。

売却の準備と企業価値の把握の段階で、資料と価格の見通しを整えます

買主候補への打診の前に、書面を整えます

譲渡の可否を左右するのは、事業の内容そのものよりも、書面が整っているかどうかであることが少なくありません。株主名簿が更新されていない、議事録が作成されていない、不動産の登記名義が先代のままであるといった事情が打診の後に判明しますと、価格の減額の材料となり、取引そのものが止まる原因にもなります。株主構成が単純で書面が整っている会社であれば1か月から2か月で打診の準備が整いますが、名義株の整理や分散した株式の集約を要する場合には6か月から1年を要することがあります。

準備の具体的な項目は会社の売却の準備のページに、株式が分散している場合の進め方は少数株主がいる会社の売却のページに整理しています。資料と数値の整備を当社に依頼する場合の内容は、M&Aの売却準備支援サービスでご案内しています。

正常な収益力から、価格の幅を把握します

買主候補は、対象会社の正常な収益力を基礎として価格を検討します。一時的な損益や経営者個人に関する費用が混在した決算書のままでは、評価は保守的になります。そこで、譲渡に先立ってこれらを切り分け、複数の方法により価値の幅を把握しておくことが有用です。

会社の価値は1つの数字では決まらず、前提の置き方によって幅を持ちます。評価の方法と、実際の取引価格が評価額から離れる理由は、会社の売却価格はどのように決まるのかで整理しています。当社の企業価値評価サービスは、資料のご提出から報告まで、おおむね3週間から1か月を要します。

個人保証と、経営者が受け取る金額の内訳を確かめます

金融機関からの借入れについて経営者が個人保証をしている場合、株式を譲渡しても保証契約は当然には消滅しません。保証の一覧をこの段階で作成しておきますと、後の段階で買主と解除の条件を協議する際の土台になります。手順は経営者保証の解除で整理しています。また、経営者が受け取る金額を株式の譲渡代金と役員退職慰労金とに分ける考え方もあり、その概要は役員退職慰労金による受取りで整理しています。配分による税務上の取扱いの判断は税理士の領分ですので、当社では取り扱いません。

買主の探索と初期の打診の段階で、情報が漏れないように相手を探します

候補先の一覧を作り、打診しない先を先に決めます

依頼先は、会社の情報と経営者への聞取りをもとに、買主候補の一覧(ロングリスト)を作成します。経営者は、この一覧を見て、譲りたくない相手や、取引先と重なるため打診を避けたい相手を除外します。候補先の選び方と打診の順序は、買主の探索で整理しています。

社名を伏せた資料で関心を確かめ、秘密保持契約の後に詳細を開示します

最初の打診には、社名を伏せた1ページ程度の案件概要書(ノンネームシート)を用います。事業の概要、規模及び業績を、どの会社か分からない程度に記載したものです。関心を示した候補先とは秘密保持契約を結び、そのうえで、社名を明らかにした数ページから数十ページの企業概要書を開示します。開示する情報の範囲と、秘密保持契約を結ぶ時期は、初期の打診とノンネームシートで整理しています。

この段階が、全体の中で最も時間を要します

案件概要書を検討した候補先のうち、買収に関心を示すのは数社から10社に1社程度であれば良い方とされます。そのため、買主候補を見つけ、面談し、意向を示してもらうまでの過程は、事業承継M&Aの中で最も時間を要し、2か月から3か月、長い場合には半年から1年程度に及ぶことがあります。従業員や取引先に知らせる時期は、株式譲渡契約の締結の後とすることが一般的であり、この段階では社内にも伏せたまま進めます。

意向表明と基本合意の段階で、相手を絞り込みます

意向表明書を比べるときは、価格以外の条件も読みます

具体的な関心を示した候補先には、重要な資料をまとめて開示し、意向表明書の提出を求めます。意向表明書には、買収を希望する価格、買収の方法(株式譲渡か事業譲渡か)その他の条件が、初期の検討の結果として記載されます。経営者は、決めておいた条件の順位に照らして、価格だけでなく、雇用の扱い、経営者の処遇、価格の前提となった条件を読み比べます。読み方と返答の前に確かめる事項は、意向表明書を受領したときで整理しています。

複数の候補先を競わせるか、1社ずつ進めるかを決めます

意向表明書を提出した候補先が3社から4社程度あれば、入札の方式により条件を競わせることができます。候補先がそれより多い場合は、追加の質問や面談により絞り込みます。反対に、候補先が1社から2社しか現れない場合は、入札の方式をやめ、個別に相手を見極めながら進めます。いずれの場合も、売主と買主候補の経営者面談を行い、経営方針や譲渡後の運営について意見を交わして、相手として適切かを確かめます。

基本合意書で、独占して交渉する相手と期間を定めます

最も好ましい候補先が定まった場合には、その候補先と基本合意書を結び、一定の期間に限り独占して交渉する権利を与えたうえで、デュー・ディリジェンスの機会を与えることがあります。売主は調査の後の価格の引下げを避けたいと考え、買主候補は調査の前に拘束されることを避けたいと考えます。この利害の違いを踏まえた進め方は、基本合意書の締結で整理しています。なお、意向表明書や基本合意書は法的拘束力を持たないものとされることが多いものの、書き方によっては思わぬ拘束力が生じることがあります。条項の効力の判断は法律事務に当たりますので、弁護士法人M&A総合法律事務所へお取次ぎします。

デュー・ディリジェンスの段階で、売主の側にも重い負担が生じます

口頭で説明してきた内容を、書面とデータで確かめられます

デュー・ディリジェンスは、買主候補が公認会計士、税理士、弁護士などの専門家を指名して、対象会社の財務、税務、法務等を調査する手続です。それまで口頭で説明してきた内容が書面とデータによって確かめられ、説明と異なる事情が見つかれば、価格の引下げを求められ、又は取引が見送られることもあります。

基準日の資料を前もって依頼しておきます

直前に慌てないためには、基準日の時点の試算表と内訳明細書を顧問税理士に作成してもらうこと、金融機関に残高証明書を依頼しておくこと、生命保険の解約返戻金を保険会社に問い合わせておくこと、総勘定元帳や議事録をすぐに取り出せるようにしておくことなどが有効です。準備する資料と、指摘を受けた場合の対応は、デュー・ディリジェンスへの対応で整理しています。

この期間は、重要な経営判断を控えるつもりで日程を組みます

候補先1社につき1週間程度の調査期間を設けますと、候補先が4社の場合には調査だけで1か月程度を要します。聞取りには経営陣が直接対応する必要があり、その間、本業の重要な判断に割ける時間は限られます。当社は、開示の依頼の一覧の整理、資料を開示する場の設定及び聞取りの日程の調整を行い、売主の負担が必要以上に重くならないように進めます。調査の結果、簿外の債務や株主の名義の問題が見つかった場合には、譲渡の方式の見直しが検討されることもあります。

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

株式譲渡契約からクロージングまでの段階で、手取りの金額が確定します

株式譲渡契約で、売主の責任の範囲が決まります

デュー・ディリジェンスと並行して、株式譲渡契約書の案が示され、修正の協議が行われます。株式譲渡契約では、価格のほか、売主が会社の状態について事実であることを保証する表明保証、保証に反した場合の補償、契約の締結から決済までに当事者が行うべき事項を定める誓約事項、決済の前提条件などが定められます。補償を請求される期間は、1年ないし2年と定められることが多く見られます。把握していない事項まで保証すれば、譲渡の後に請求を招くおそれがあり、手取りの金額は補償の上限額と請求の期間によっても変わります。売主が確かめるべき条項は、株式譲渡契約書の交渉で整理しています。契約書の作成及び審査、条項の修正の協議は法律事務に当たりますので、弁護士法人M&A総合法律事務所へお取次ぎします。

締結から決済までの間に、取引先の承諾と従業員への説明を済ませます

クロージングは、株式譲渡契約の締結の1か月程度後に設定されることが多く、締結の日にそのまま決済を行うこともあります。この間に、売主は誓約事項で約束した事項を履行します。例えば、支配権の変動の際に相手方の承諾を要するとの条項(チェンジ・オブ・コントロール条項)がある取引契約については、取引先を訪ねて事前の承諾を得ます。あわせて、金融機関や重要な取引先に買主の担当者を紹介し、従業員に対しては説明会を開いて買主の方針と今後の就労の環境を説明します。

決済の日に、書類と代金を引き換えます

決済の日には、株式譲渡契約に定めたクロージング書類と引換えに、買主から譲渡代金が振り込まれ、株主名簿の書換えにより株式の移転が完了します。定款に株式の譲渡の制限の定めがある会社では、会社による譲渡の承認の手続も必要です。手順はクロージングで整理しています。経営者保証の解除は、買主が代わって保証を差し入れ、金融機関が承諾して初めて実現しますので、解除の義務と期限を株式譲渡契約に定めておくことが重要です。

譲渡の後も、引継ぎの期間が続きます

株式の譲渡の完了後は、買主との協議によりますが、数か月から3年程度の引継ぎの期間を経て退くことが多く、買主が異業種の会社である場合には、期限を定めずに経営を続けてほしいと求められることもあります。引継ぎの期間と役割は、意向表明や基本合意の段階から話し合っておくことが望まれます。譲渡の後の統合の進め方は、譲渡の後の統合で整理しています。

全体の期間の目安と、期間が延びやすい場面

全体の目安は6か月から12か月です

ご相談からクロージングまでは、一般的には6か月から12か月を要し、最短でも3か月程度はかかるとお考えください。準備の段階を含めて考えますと、6か月から1年半を要することが一般的です。仮に、資料が整っており、買主候補への打診から順調に進むとすると、日程は次のような順序になります。

時期(仮設例) 主に行うこと
着手から1か月 決算書及び申告書の整備。正常な収益力の調整項目の洗出し
2か月目 複数の方法による試算と、価格の幅の設定
3か月目から4か月目 買主候補への打診。意向表明書の受領と比較
5か月目 基本合意書の締結
6か月目から7か月目 デュー・ディリジェンスと、発見された事項による条件の再協議
8か月目 株式譲渡契約の締結
9か月目 クロージング。代金の受領

この表は考え方を示すための仮設例です。実際の期間は、会社の規模、業種、株主構成及び買主候補の検討の速さにより異なります。

期間が延びやすい3つの場面

第1は、買主候補が現れない場合です。この場合には、2年から3年を要することもあります。第2は、準備の段階で書面の不備が見つかる場合です。名義株の整理や分散した株式の集約には、それだけで6か月から1年を要することがあります。第3は、デュー・ディリジェンスで想定外の事情が見つかり、条件の再協議や譲渡の方式の見直しを要する場合です。

体調の事情など期限がある場合には、その期限から逆算して早めにご相談ください。方針を決める前に相談するほうが、選択の幅は広くなります。

費用が生じる時期

当社は完全成功報酬制を採用しており、着手金及び月額報酬はかかりません。報酬は、株式譲渡や事業譲渡の実行(クロージング)を条件として、売買金額のうち5億円以下の部分の5%、5億円超10億円以下の部分の4%、10億円超の部分の3%の合計額です(いずれも消費税別)。譲渡企業側の成功報酬の最低額は500万円(消費税別)です。仮に売買金額が3億円であるとすると、成功報酬は1,500万円(消費税別)となります。費用の詳細はM&Aサービスの費用体系をご覧ください。なお、企業価値評価サービスを別にご依頼いただく場合は、簿価総資産額に応じて50万円から100万円(消費税別)の料金がかかります。無料なのはご相談です。

いま確認していただきたいこと

今日のうちに手を付けられることがあります。第1に、直近3期分の決算書及び法人税の申告書を手元にそろえてください。第2に、株主名簿と登記事項証明書を並べ、記載が実際の保有状況と一致しているかを確かめてください。第3に、金融機関からの借入れと、個人保証の有無の一覧を作ってください。第4に、譲渡の価格、雇用の維持、経営者保証の解除、譲渡後に会社に残る期間などの条件に、ご自身で順位を付けてください。第5に、いつまでに結論を出すかという期限を定めてください。

これらは、いずれの段階に進む場合にも求められる情報です。資料がそろっていなくても、ご相談は可能です。

当社及び弁護士法人M&A総合法律事務所の関与

当社は、譲渡の方針の整理、手取りの見込みの試算、売却の準備、企業価値の評価、買主の探索と打診、案件概要書及び企業概要書の作成、買主候補との条件の調整、並びにクロージングまでの資料と日程の管理につきまして、M&Aの仲介及び助言としてご支援します。

他方、基本合意書及び株式譲渡契約書の作成及び審査、条項の効力の判断、株式の名義の帰属の判断、所在の分からない株主に関する会社法上の手続、相続に関する事項その他の法律事務は、弁護士でなければ行うことができない業務に当たります。これらにつきましては、弁護士法人M&A総合法律事務所へお取次ぎします。また、株式の譲渡や役員退職慰労金に関する税務上の取扱い及び税額の計算は税理士の領分ですので、当社では取り扱いません。

よくあるご質問

従業員や取引先に知られずに相談できますか。

可能です。最初に当社と秘密保持契約を結び、買主候補には社名を伏せた案件概要書で打診します。詳しい情報は、秘密保持契約を結んだ相手にのみ開示します。従業員や取引先に知らせる時期は、株式譲渡契約の締結の後とすることが一般的です。

ご相談から譲渡の完了まで、どのくらいの期間がかかりますか。

最短でも3か月程度、一般的には6か月から12か月程度を要します。準備の段階を含めると6か月から1年半が一般的で、買主がなかなか見つからない場合は2年から3年を要することもあります。期限がある場合は、早めにご相談ください。

赤字の会社でも、事業承継M&Aの対象になりますか。

可能性はあります。決算上は赤字であっても、償却費や経営者の報酬を除けば利益が出る場合は、評価の対象となります。許認可、顧客の基盤、技術を有する従業員などに買主が価値を見いだすこともあります。まず直近3期分の決算書を拝見します。

譲渡の後も、しばらく会社に残ることはできますか。

買主との協議によります。数か月から3年程度の引継ぎの期間を経て退くことが多く、ご希望は意向表明や基本合意の段階で早めに伝えておくことが望まれます。

途中で譲渡をやめることはできますか。

株式譲渡契約を結ぶ前であれば、一般には、売主が検討を取りやめることは可能です。もっとも、基本合意書や依頼先との契約に定めた条項によっては、一定の義務が残ることがあります。個別の条項の効力の判断は法律事務に当たりますので、弁護士法人M&A総合法律事務所へお取次ぎします。

まとめ

後継者がいない会社を第三者へ譲り渡す事業承継M&Aは、ご相談、売却の準備、企業価値の把握、買主の探索、初期の打診、意向表明、基本合意、デュー・ディリジェンス、株式譲渡契約、クロージング、引継ぎという段階を順に進みます。全体の期間は、一般的には6か月から12か月であり、買主がなかなか見つからない場合は2年から3年を要することもあります。

経営者が判断すべき事項は段階ごとに異なりますが、その土台となるのは、ご相談の段階で決める譲れない条件の順位と、結論を出す期限です。この2つを先に決めておくことが、各段階の判断を速く、確かなものにします。

事業と従業員と取引先が残っているうちは、第三者への譲渡を検討することができます。廃業を決めてしまう前に、まず全体の流れの中で、ご自身の会社がどの段階にあるかを確かめてください。当社は、その整理から譲渡の完了までの実務をご支援します。

当社はM&Aの仲介及び助言を行う会社です。訴訟、交渉の代理、法律事務の取扱いなど、弁護士でなければ行うことができない業務は取り扱いません。これらに当たる部分は、弁護士法人M&A総合法律事務所へお取次ぎします。

具体的なご相談をお考えの皆様へ

後継者がいない会社の譲渡をご検討の経営者様に向けて、当社の取扱内容、進め方及び費用の考え方を次のご案内に整理しています。

なお、基本合意書及び株式譲渡契約書の作成及び審査、条項の効力の判断、株式の名義の帰属の判断、所在の分からない株主に関する手続その他の法律事務につきましては、弁護士法人M&A総合法律事務所において承っています。

03-6435-8418受付 8:00〜21:00(土日祝含む)相談申込